米(コメ)は日本の食卓に欠かせない主食ですが、米の価格高騰により、家計にとって大きな負担となり問題になっています。この記事では、米よりも安価なパスタ、うどん、パンのどれがどのくらい安いのか、主食を比較し、ランキング化。その価格差に注目します。
米の高騰には2024年6月ごろよりスーパーからコメが消える現象から始まり、2024年8月の米先物取引開始、さらには中間業者の売り渋りにまで発展しています。
2025年2月時点では、5kgで3800円程度の価格が一般的です。しかし、他の穀物を原料とした主食と比較することで、米がいかに高価であるかが浮き彫りになります。
この記事では、米を基準として、うどん(乾麺・生麺)、パスタ、パンの価格が、どのくらい安いのか調理後の重量を詳しく比較することができます。
備蓄米が放出されるとはいえ、店頭価格に反映されるには時間がかかります。お米が正常な価格になるまでは、何がどのくらい安いか、それぞれアイテムをチェックし、節約のヒントを見つけましょう。

高すぎてお米買えん。うどんとか買えば他のもの買えるわ。米なんてもう食わん。
米を基準とした主食比較ランキング
それでは米を基準として、パスタ、うどん、パンを比較して安い順にランキング形式で紹介していきます。価格はすべて税抜き価格での比較になっています。それでは見ていきましょう!
以下の画像は調理前と調理後の米、パスタ、うどん、パンの5kgあたりの価格を比較したグラフです。炊飯や茹でる前の単価と、炊飯や茹でたあとの価格でどのくらい安くなるのか比較できます。

パスタ
1袋(1kg入り)230円の乾麺パスタを設定しています
- 価格: 5kgあたり1150円(米の約30.3%の価格)当ランキングで最も安く、コスパ最強。
- 調理後重量: 100gのパスタは調理後210gで約2倍に膨らみます。5kgでは調理後10.5kgになり、これは米の5kg調理後重量11kgの約0.95倍です。
- 調理後価格倍率: 調理後100gあたり11円、5kgあたり548円で、米の100gあたり35円、5kg1727円の約31.4%です。
- 解説: パスタは米に比べて非常に安価で、調理後のボリュームも大きいです。イタリアン料理や様々なアレンジが可能で、食卓のバリエーションを広げます。
- 注意点: 麺類は多く食べ過ぎてしまうので盛り付け時に軽量しましょう。本当に食べ過ぎるから注意!
- 茹でた後:一人前約195g~225g
とにかく安く済ませたいならパスタ!ケチャップと塩コショウあればなんとかなりますね。ソースならボンゴレもおすすめ。ボンゴレは味が濃いの少なくても満足できる。ミートソースは味がうすくなりがちで量が必要なのでコスト増になるかも。
うどん(ゆでうどん)
1袋(150g入り)38円の袋に入ったゆでうどんを設定しています
- 価格: 5kgあたり1333円(米の約35.1%の価格)当ランキングで2番目に安くなっています。
- 調理後重量: 100gのうどん生麺は調理後約200gで2倍に膨らみます。5kgでは10kgになり、これは米の5kg調理後重量11kgの約0.91倍です。
- 調理後価格倍率: 調理後100gあたり13円、5kgあたり667円で、米の100gあたり35円、5kg1727円の約37.1%です。
- 解説: うどん生麺は乾麺よりもさらに安価で、調理後の重量も米とほぼ同等です。手軽に利用できる点も魅力です。
- 注意点: 麺類は多く食べ過ぎてしまうので盛り付け時に計量しましょう。
- 茹でた後:一人前約180~250g
茹でると約2倍に膨張します。5kg買っても2000円切る相場!味付けはめんつゆはもちろん、カレーやボンゴレもおすすめ!納豆は欠かせませんね。
うどん(乾麺)
1袋(80g×4束で320g入り)120円の乾麺うどんを設定しています
- 価格: 5kgあたり1875円(米の約49.3%の価格)当ランキングの中では調理前では4番目ですが、乾麺ということで調理後3倍近く膨らむ特性から、うどん生麺と同じ価格になるため3位に。
- 調理後重量: 100gのうどん乾麺は調理後280gで約3倍に膨らみます。5kgでは調理後14kgになります、これは米の5kg調理後重量11kgの約1.27倍です。
- 調理後価格倍率: 調理後100gあたり13円、5kgあたり670円で、米の100gあたり35円、5kg1727円の約37.1%です。
- 解説: うどん乾麺は米に比べて価格が安く、調理後のボリュームも大きいため、経済的で満足感のある食事を提供できます。
- 注意点: 麺類は多く食べ過ぎてしまうので盛り付け時に軽量しましょう。
- 茹でた後:一人前約180~250g
茹でると約2.8倍に膨張するので、価格を調理後重量で割ると、ゆでうどんと同じ単価になります。
パン
1袋(1斤340gとして)99円の8・6枚切りで99円のPB商品のパンを設定しています
- 価格: 5kgあたり1456円(米の約76.6%の価格)当ランキングでは調理前限定で3番目に安くなっていますが、調理後比較ではパンは重量が変わらないため高値傾向になり4位。
- 調理後重量: パンは調理後の重量が変わらず5kgのままです。これは米の5kg調理後重量11kgの約0.45倍です。
- 調理後価格倍率: 調理後100gあたり29円、5kgあたり1456円で、米の100gあたり35円、5kg1727円の約84.29%%となり、米の炊飯後5kg換算よりは安価ですが、他と比べるとかなり高くなります。
- 解説: パンは米に比べて安いですが、調理後の重量が変わらず、100gあたりの価格は29円、5kg換算では1456円となり、他の主食よりも高値になります。しかし、手軽に食べられる点や、朝食や軽食としての利便性は高いです。
パンはなにげに高い。でもあったら彩りがでますよね。まぁ、実際測ると370gの商品が多いのでもう少し安いですが、それでも高い。
適切な米の価格は?
先程のグラフから、コメが以上に高いのは見て取れたと思います。では、一般市民が許容できる価格、他の主食から見たときの価格バランスからコメの適正価格をいいますが、『それってあなたの感想ですよね』なのでご了承ください。

すべての価格のバランスから見ると、米は高くても5kg2500円くらいならバランス取れてる。それ以上はバランス崩壊するので、米が『超高級食材』になってしまう。もはや主食ではなくなります。
米価格の適正性と国民の主食としての役割
農家の方々が「今の価格が適正だ」と考える背景には、農業機械や飼料の高騰など生産コストの上昇や労働環境の厳しさ、さらには天候不順や災害リスクなど、さまざまな要因が絡んでいるのでしょう。
確かに、農家の方々の努力と苦労を考えると、現在の価格が適正であると感じることも理解できます。しかし、ここで忘れてはならないのは、米が日本の「国民の主食」であるという大前提です。米は単なる商品ではなく、日本人の食文化や生活に深く根ざした存在です。
米価格高騰の影響
現在の米価格は、一部の消費者にとっては手が届かないレベルにまで上昇しています。特に低所得世帯や子育て世帯、高齢者世帯にとっては、米を購入することが家計の大きな負担となっています。
これにより、米を食べる機会が減り、栄養バランスが崩れる可能性も懸念されます。米は炭水化物だけでなく、ビタミンやミネラルも含む重要な栄養源です。そのため、米が手に入らないことは、健康面でのリスクにもつながります。
国民の主食としての責任
現在起こっている状況から、米が国民の主食である以上、その価格設定は単なる市場原理だけで決めるべきではないと、考えるべきではないでしょうか。政府や関係機関は、米の安定供給と適正価格の維持に向けた施策を強化する必要があります。
2025年2月に限って言えば、21トンものコメが流通から消失したことがわかりました。中間業者での売り渋りが原因とされ、これに対する対策が必要だと考えます。
たとえば、生産者側に対しては、補助金制度の見直しや、中間御者に向けては売り渋り対策として保有量により短期間の保有期限を設けるなど、対策が考えられます。現状の複数ある補助金ではトラクターが対象外や農業開始年齢の制限されたものもあり、万全とは言えない部分があるため、改善が必要です。
以下の画像では黒字になる農家として1.0~3.0haの農家から黒字になると推定されています。5~10haの農家ではようやく216万円の推定所得となり、専業としてやっていけるのはこのラインからではないかと推測できます。
今後も日本の米が主食であり続けるためには、推定利益がマイナスとなっている5.0~10ha以下の農家への補助金の見直しが必要だと考えられます。

先物取引が始まりマネーゲーム化する可能性
2024年8月20日から「米穀指数」、通称「堂島コメ平均」の本格的な取引がスタートしました。2024年8月ごろはスーパーの棚からお米が消えた時期でもありますね。
この堂島コメ平均は現物を取引するわけではないため、流動性が高く話題になりました。主食用のコメの平均価格に基づく指数を対象に売り買いが行われます。
今回の米騒動で米は投機の対象となっていることがわかりましたが、今後においてはマネーゲーム化が懸念されます。農水大臣の江藤拓氏は「このままの状態を放置すれば、これから先、主食である米が、マネーゲーム、投機の対象になってしまうかもしれない。これは日本にとって、決してよくないです。」と発言をしていました。
江藤農林水産大臣記者会見概要より引用:https://www.maff.go.jp/j/press-conf/250214.html (2025年2月14日)
そもそも日本の賃金が低い
日本の賃金の低さが家計を圧迫
そもそもですが、コメ5kg3800円ほどの価格が、家計を圧迫している家庭が多いという現実です。農家にとっては5kg4000円ならば黒字になるかもしれませんが、それでは国民はコメが買えなくなる。日本の平均年収は約460万円ですが、あくまでこれは平均値であり、特に20代や30代では月収38万円の人は少ないのではないでしょうか。
高くなった米を十分に買えない背景には、日本の賃金が低い点にあるのは明白です。月収10万円、月収25万円前後の家庭は日本においては多いと思います。
米価格の高騰が家計に与える影響
例えば、3人家族で毎食ご飯を食べていれば、5kg3800円のお米を1ヶ月3袋は消費すると思います。3袋で11400円(税別)がかかります。月収15万円の家庭であれば月収の7.6%の構成になります。食費を1ヶ月40000円とした場合実に食費の28.5%と、実に食費の3割が米の消費に当てられてしまいます。
これが2023年の3月時点では業務スーパーや、全国スーパー薬局などでは5kg1300円程度の米も販売されていました。先ほどと同じ条件の家庭では、3袋で3900円(税別)で済むわけですね。月収15万円での構成では2.6%、40000円の食費内での構成は9.75%と高騰した米と比較すると1/3で済みました。
このような一般的な家庭では昨年の米高騰以前の価格では5kg1300円~2000円前後の商品を購入していたと推測できます。これだけ月収における構成が上がってしまえば今まで通りの数量買うことができなくなってしまう可能性が高くなっています。
食料品全般の値上げと賃金の停滞
米をはじめ、日本では野菜、果物、卵、肉、豆腐、納豆、乳製品、菓子、調味料、パンなど、食に関わる多くの商品の価格が年々、何度も値上げされています。賃金がこれに見合って上昇していないことが、そもそも問題の根本であると言えるのではないでしょうか。
価格の上昇がほとんど燃料高騰や為替の影響によるものであるならば、賃金の上昇が限られている現状では、日本の消費者は厳しい状況に直面し、まさに搾取が続いていると言わざるを得ません。
最低時給の議論と企業経営者へのメッセージ
最低時給を1500円にする議論がありますが、時給1500円で月間160時間働いても、月収は24万円に過ぎず、平均給与には到底届きません。このことを企業経営者には肝に銘じてもらいたい。
『会社の業務を回しているのは社長でもなく正社員でもなく、パート・アルバイトや派遣の人々だ』ということです。もちろん、どのポジションも必要不可欠ですが、実働部隊がいなければ企業は存続できません。
まとめ

今回このように数値で比較し、一覧で見ることができるようになり、米が他の穀物を原料とした主食に比べて非常に高価であることが明らかになりました。
特に、うどん乾麺やパスタは、米と比較して大幅に安く、調理後の重量も増えるため、経済的でボリュームのある食事を提供できます。うどん乾麺は調理後重量が米の約1.27倍、パスタは約0.95倍と、米と同等かそれ以上のボリュームを確保できます。うどん生麺はさらに安価で、調理後の重量も米とほぼ同等(約0.91倍)です。
パンは調理後の重量が変わらないため、そのままの価格で比較されます。調理前限定で米よりは若干安いですが、調理後においては他の主食よりもかなり高値になっていることがわかりましたね。
この数値からわかるように、高値のお米はなるべく避けたい、節約を考えている方には、うどんやパスタがおすすめです。
今まで米を主力で食べてきた人は、これらのパスタ、うどん、パンなど穀物を原料とした主食の構成を高めることで、食費の節約につながります。ぜひこれらの主食を活用して、食費の節約に役立ててください!